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 * タバコの秘密
 *   by uratan! 2014.5.18
 *     revised 2023.7.29
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/* 単位の秘密 */

タバコの軽重をあらわすのには主にタールの"重さ"が使われています。 あれは摂取量をあらわすことは間違いないと思いますが単位(?)は なんだと思いますか？

一箱吸ったら 1mg？ それとも 1本吸ったら？

実はあれ「一吸い当たり」らしいのです。つまり、「す〜、ハー」で 1mg。 これ完全に伝聞です。web で情報を探っても見つかりません。 でも間違いないと思っています。 (ソースをご存知の方、ぜひご連絡ください)
もちろん人それぞれ「す〜」の量が違いますので、 規定値が定められているらしいです。

/* 軽さの秘密 */

昔のタバコは、単に紙で巻いただけのものでした。ですので 「す〜」で吸った分だけ空気が先端の火のところから吸い込まれ、 その空気に含まれる酸素の分だけタバコ葉が燃焼し、燃えた煙が 人間に取り込まれます。
燃えたそのまんまだから、「す〜」あたりの摂取量は大きいです。 現在流行の 1mg タバコに比べると数十倍、いわゆる「きつい」タバコと なります。
この頃、タバコの軽重は、おそらく原料となるタバコの葉の銘柄(?)とブレンド、 葉の詰め具合で変えていたと思われます。 今ならショートピース、エコーなどがこの形態に該当しますが、 数字的には 以下の通りです。

銘柄	タール	ニコチン
ショートピース	28mg	2.3mg
エコー	15mg	1.0mg

その後タバコは一方的に軽くするための歴史をたどります。

まずはフィルター。

燃焼で発生した煙に含まれる成分を、口元側にフィルターを設けることで フィルターに吸着させ、体内への取り込み量を減らします。 ハイライトがその先鞭というイメージがあります。

銘柄	タール	ニコチン
ハイライト	17mg	1.4mg
セブンスター	14mg	1.2mg

まだ燃えていない部分のタバコの葉そのものにもフィルター効果があり、 それゆえ吸えば吸うほど きつくなるという話もあります。

さらにその後、軽さを競うように現在は 1mg まで至っています。 しかも区別が細かい。
昔のマイルドセブンシリーズ、現在のメビウスでは、 こんなに細かくラインアップがあります。

メビウス	タール	ニコチン
オリジナル	10mg	0.8mg
ライト	8mg	0.7mg
スーパーライト	6mg	0.5mg
エクストラライト	3mg	0.3mg
ワン	1mg	0.1mg

どうしてこんなに細かく制御できるようになったのでしょうか。
その秘密は、じつは穴にあるのです。

上の写真の通り、フィルターの辺りに細かい穴が設けてあり、 同じ「す〜」に対して、穴から入る空気と、葉が燃えた煙とをブレンドする ことで、「す〜」あたりの摂取量を減らしているわけです。
なんとすばらしい日本の技術だこと。

吸い終わった後にフィルターを見てみてください。 外周部は白いままですから。

というわけで現在の多くの喫煙者は、タバコを吸っているようでその実 空気を吸わされているのです。 先端から拡散する副流煙の方が体に悪い、という話も ありましたが納得しそうなぐらい。

そして同じ「す〜」のうち、タバコ葉の燃焼に使われる分が減りますので、 軽いタバコで穴が多ければ多いほど、タバコが長持ちすることになります。 つまり 1本を吸いきるまでたくさんの「す〜」が必要だということ。 理屈は下の図解の通り。

つまるところ、こんな感じでしょうか。

しょっぱい味噌汁が一定量あって、濃いのが好きな人はそのまま飲み すぐなくなる。薄味が好きな人はお湯で薄めながら飲み、その分 飲みきるまで時間がかかる。

タバコの ×mg とは味噌汁のしょっぱさを表すもので、トータルの 塩分摂取量を表すものでは なかったのです。

またそういう理屈なので、この穴をふさいで「す〜」することで 重くなります。くわえ方や持ち方を、もう一度注意してみましょう。

/* 細いタバコの秘密 */

というところで、下の写真の一番上の、これです。

最近流行の細いタバコ、実は私もお気に入りだったりするのですが、 タール値のラインアップはおおむね太いタバコの ラインアップと同じです。 太い普通のヤツが直径 8mm で、細い方は 5mm らしいです。断面積にして 4割ぐらい。

タバコの葉っぱの総量が明らかに違うのに なんで？

そう、ここまでに説明したとおり、×mg とは「す〜」あたり、 味噌汁で言うしょっぱさの表現なので タバコ葉の総量は関係ありません。

大きな違いは、タバコの持ち、となります。
つまり、断面積が小さく、 1回の「す〜」で より長く燃える細いタバコは、 1本を吸いきるのに必要な「す〜」の回数が少なく、 結果太いのに比べて、吸い終わるのが早いのです。

健康診断で喫煙量を効かれたら、「一日×箱ぐらい、ただし細いやつで」と 正しく申告しましょう。

つーか、喫煙量としての×箱って、ものすごく正しかったんだな…。

もう一点追記。細い分流速が速く、口(の中)当たりがだいぶ違いますね。

/* 値段の秘密 */

というところで、1本(もしくは一箱を)を吸いきった場合、 という基準を取ると、 各種成分の摂取量は現在のタール値の比率にはなりません。 mg 数が小さくなればなるほど空気を吸わされており、 その分タバコ葉の減りが遅く、 1本を吸いきるまでたくさん「す〜」を必要とするからです。

(「す〜」当たり) タール×mg とという数字は、おそらく粘膜への刺激の大きさ(＝味わい)を 表すのに適した数値であり、トータルでの摂取量とは直接関係ないのです。 あくまでしょっぱさですから。

そういう意味で細いタバコは、一箱あたりのトータルの摂取量が明らかに少ない、 にも関わらず、値段が太いのと同じ設定になっています。 最近は 100S と銘打ったちょっと長めなタバコも値段に差がないですが、 体積比から使用するタバコ葉がおおよそ半分程度と予想される これら細いタバコが同じ値段と言うのは、なんとかならんもんでしょうか。

缶ジュースの中身の原材料費が数円という話から 原材料費が値段をあらわすものではないとはわかりますが、 せめて税金分はタバコ葉の使用量に比例させて欲しい

/* 追記 */

[2018.1.27 追記]

2017年の夏、勝手にリニューアルしやがりました、値段据え置きで およそ 16mm長く…。 しかし味まで変えて差し替え (JANコード同じ) とは嗜好品として どうなのかと…。

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[2018.6.17 追記]

さらに名称が GOLD に、でもお店では「メビウスの薄いのの 6mgのやつ」 としかいいません。小っ恥ずかしいし この方が通じやすいと思うので。
タバコ本体は (98mm - 83mm) = 15mm 差でしたね。 フィルターの (30mm - 27mm) = 3mm 延長分も含みますが。

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[2019.11.30 追記]

たばこの基礎知識 | JTウェブサイト   →   紙巻たばこ（シガレット）
「たばこ1本あたりのタール量は整数値、 ニコチン量は小数点1桁までの数値で表示されています。」

ふーん…。

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[2020.9.19 追記]

きたる 2020年10月1日の価格改定で 現状 490円が 540円になって いよいよワンコインじゃ買えなくなるのか…と思っていたら、
メビウスのスリム商品は 10円アップの 500円にとどまる、 つまり、細いのは 太いのより 40円安い価格設定になるようで…。

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[2021.4.4 追記]

パッケージデザインが また変更されるようですが、やはり そろそろ 駅ナンバリング みたいなコード番号を振るべきではないだろうか？
「メビウスの G13 を一つ下さい」みたいにさ…

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[2021.12.12 追記]

さる 2021年10月1日の価格改定で 500円から 530円になって いよいよワンコインじゃ買えなくなりましたね…。 （太いのは 40円アップで 580円に、スリムタイプは "メビウスの低価格ライン"という位置付けになったらしい…）

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[2023.2.14 追記]

"メビウスの低価格ライン" としてＥシリーズに本腰を入れ始めた感じ？
細いの（下表の{S}）は すべてＥシリーズで安くなるのはいいとして、 レギュラーとＥシリーズ、いったい何が違うんだろう…。

メビウス マトリクス   (わかったような わからんような)

	タール	(soft)	BOX	100s -BOX	GOLD	メンソール
						(none)	Yellow	Purple	Red
レギュラー ￥580	1mg	r	r	R	G／I		R	R	R
	3mg	r	r	R
	5mg						r	r	r
	6mg	r	r	R	g
	8mg	r	r	R		r ?	r	r	r
	10mg	r	r	R
Ｅシリーズ ￥500	1mg			E {S}		E		E {S}
	3mg			E
	5mg					e		e {S}
	6mg		e	{S}
	8mg							e
	10mg		e	{S}

※ G/g=GOLD ／ I=GOLD IMPACT(no-LSS) ／ {S}=スリム
※ R/G/I/E/{S} は 100s サイズ、r/g/e は標準(ショート)サイズ
※ (soft) 以外は全てボックスパッケージ

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[2023.7.29 追記]

[設問] ここまでの記述において筆者がもっとも主張していないことを以下から選べ。

(1) 空気穴をうまく活用して自分好みのおいしさでタバコを楽しみましょう。
(2) 同じ値段でタバコ葉がおよそ倍である太いタバコがだんぜんお得である。
(3) 1mgと錯誤させ吸い方によってより重い煙を吸わせるタバコ企業は糾弾されるべきである。
(4) タバコ税はタバコ葉の、酒税は含有アルコールの重量でシンプルに課税すべきである。
(5) ものごとの深淵に至る為に持てる知識を駆使してよく考えましょう。