#################### 第三話: 誕生
それなりにXENON-80 CPUボードはできた。一番最初に走らせたプログラムは、
2Bitの出力ポートの1つを使って、TK-80BSにメッセージをシリアル転送する
プログラムだった。
XENON-80に電源を入れると、TK-80BSの画面に、"This is XENON-80 Speakng."かなんか
表示されるはずだった。
わくわくしながら火を入れた。
がしかし、画面にはなにもでてこなかった。
僕はくさった。どうせ人生なんてこんなものさと落ち込んだものだった。もう
マイコンなんてさわるものかと心に誓ってBSにも触らなかったぐらいだ。
オシロスコープなんぞ知らない僕にとって、火をいれてピクリとも動かなければ
すべて終りなのだ。
それから2ヶ月ぐらいほっておいただろうか。ある日、ふともう一度やってみようか
という気になって、火を入れてみた。やっぱりだめだった。
でもあきらめきれずにしつこくアセンブルリストを見直していたら、
なんとBS側の受信ソフトにバグをみつけてしまったのだった。
そう、XENONはけなげにもメッセージを出していたのに、ホストのBS側が
それを拾ってやれなかったのだ。
とりあえずCPUボードは動いた。よかった。が、この事件の負い目から、
僕はXENON-80に頭が上がらなくなってしまったのだった。
そして、「XENON-80を、PC-8001+α(α>0)のマシンに仕立てあげるプロジェクト」が
正式発足し、目標にむかって前進する日々が始まったのだった。
XENON-80 V-RAM board
uratan@miomio.jp